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スーパーラジオ、レイアウトを変更してみた

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基板のレイアウトを変更した。フロントエンド(同調回路)&局発・ミキサー回路はトレイへまとめてモジュール化して取り付け、基板は立体配置とした。ローカル局受信時など大入力時の対応として、パッシブ式ATTを追加した。(0dB,-10dB,-20dB) MDFボードの上にアルミ板を貼って?あるが、0V(-BATT)電位なので各基板のGNDはすべてここへ落としてある。以前のレイアウトのようにGNDワイヤを複数本束ねる必要はない。+V側も分配用線材を太くした。これにより電源電圧、動作電流が格段に安定する。 ワイヤリングが短くなるのと同時に、取り付け強度も確保。 バリコンはバーニアダイヤルとの間にカップリングシャフトを介して装着。バリコン本体もアクリル製トレイに取り付け。以前のような周波数変動の不安定さは無くなった。 問題ありの電源回路だったが、回路基板はそのままに3端子レギュレータを交換、放熱器を装着し熱対策。ノイズ対策としてラジオ本体用とデジタルカウンタ用の2系統にしてある。 ループアンテナの同調回路。局発VCがバーニアダイヤルによる可変なので、こちらも減速機構付きシャフトを用いて微調整を可能にした。 刷新部をざっとアップしたが、以前と比べてずいぶん安定して動作するようになってきた。 この作業で、配線間違いとイモハンダによる接触不良がそれぞれ1か所ずつ判明した。残る課題として、LM386の利得調整(現状、ゲイン過多)、トーンコントロールのトレブル側のターンオーバー周波数の変更、シグナルメータの追加が挙げられる。 たかが中波用シングルスーパーラジオ・・・と思ってゐたが、フルスクラッチで組むとこうも難しいものかと痛感させられる。(無学の人間が回路定数を決めたり変更するわけで) 回路基板にユニバーサル基板を用いていることも難易度を上げていると思う。電源系の共通インピーダンス(特にGND)は、その状態が目に見えるわけではないのでアマチュアに判断は難しい。両面銅箔基板を用いた製作の方がレイアウトは難しいが、この部分に悩むことはない。 追記;9月10日・・・昨晩から12時間以上、受信状態のまま放置してみた。それまで受信周波数の変動が気になってゐたが、1kHz程度のドリフトに収まった。 問題は回路にあるのではなく、バリコンとバーニアダイアルを繋ぐカップリングにあった。おおよそシャフトのセン...

中波用ラジオと侮ることなかれ

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 商用中波放送帯(530~1600kHz)を受信するスーパーラジオを作ってみたが、改めて筐体の構造上強度が極めて重要であると思い知らされた。今回製作したものは、同調用VCと局発用VCが一体化している親子バリコン(トラッキングレスバリコン、ギャンギングバリコンとも云う)ではなく、完全に独立仕様とした。つまり同軸上に2つのセクションがあり連動するのではなく個別に調整してトラッキングの整合性を求めるのが狙い。 安価な親子バリコンでは、回転角に対する容量変化が同調セクションと局発セクションでは比例せず、1.1MHzの帯域内で455kHzの差信号が全域で保つことが出来ない事象が発生する。基本シングルスーパーラジオの調整はバンドエッジで行うが、ロワー側・アッパー側の2点でアジャストされているに過ぎない。周波数直線バリコンなどではこれが解決されている場合もあるが、小型ポリバリコンにこれを望むのは無理と考えたほうがよい。 バリコンを独立させた理由は上記の通りだが、一方で電気的回路とは別に構造上堅牢な組み立てが行われないと、受信周波数の安定は実現しない。今回の製作では局発VCにはバーニアダイヤルを装着したが、バリコンの取り付けが「貧相」なために周波数が安定しない事象に見舞われた。0.3㎜のアルミ板にバリコンを取り付けたものの、ダイヤルを回すとトルクがかかってアルミ板が「たわんで」しまう。この「たわみ」が元に戻るときに周波数が動く(=バリコン軸が動く)のである。完全なトラッキングレスを狙っても、こういった要因で周波数が安定しないのでは実用にならない。ましてや同調VCと独立しているので、トラッキングのズレが顕著になり周波数が動くだけではなく感度まで悪くなる。 試作機とはいえ、さらなるリファインが必要なようだ。 中央のユニバーサル基板(局発回路)の上部にL字に曲げたアルミ板が見えるが、これに局発用VCが取り付けてある。ラジオを動かすだけで、受信周波数も大きく動いてしまう。基板とVCもワイヤを介して取り付けてあるが、余計なL成分として働くので周波数が安定しない原因ともなっている。受信周波数の安定を求めるには電気的にも機械強度的にも不安定要素を取り除くことが必須。現状では15分も経過すると、選局した放送が聞こえなくなる。 中波受信機でありながら受信周波数はデジタル表示。局発VCと同調V...